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会報より

W.A.Mozart on W.W.W(Wold Wide Web)会員番号 K425

言わずとしれたインターネットは現代パソコンビジネスを最高潮に押し上げ、さらに家庭においても容易く、かつ全世界規模での情報収拾を可能にした通信媒体であります。そこには当然W.A.モォツァルトに関する情報は星の数ほど、あらゆる言語で存在します。私も一昨年よりパソコンを始めましたが、今までは個人的興味という感覚だったモォツァルトがネットを通じて世界中に大勢の愛好者がいるのだという事を知り、モォツァルトに対して今まで以上の親近感が湧いてきたから不思議です。そして、そこに書かれているそれぞれの様々な思い入れ、愛好の仕方に、時にはうなずいたり時には首を傾げたり。たった一晩で日本国中のモォツァルトファンの情報からヨーロッパやアメリカのモォツァルトファンの情報まで知ることが出来るのですから、やはりインターネットは素晴らしいし恩恵にあずかるだけの価値は充分にあると思います。

 わが「モォツァルト広場」もその時代の流れに乗るべく、ネットにおいてホームページを作成・公開しています。ありがたいことに、現在まで多くのモォツァルトファンからのアクセスがあり、ネットにおいて「モォツァルト広場」の名前を全世界に向けて大いに宣伝させてもらっている次第です(今はまだ日本語だけの表記ですが)。時にはそれらの方々と様々な情報交換したり、良案があればそれを「モォツァルト広場」の活動に活かしたり。なんて素晴らしいのでしょう!モォツァルトの時代を考えれば、それの便利さ・有効性は比較になる物ではありません。

 しかしどうでしょう。当時のモォツァルトは生涯を通じて旅をし、かつそれが大いに音楽性の向上に役立ってきたことは現代すべてのモォツァルトファンが知るところではあります。伝達の手段は、まさに「足(人間自身)」だったのです。もし現代のこのようなハイテク社会にモォツァルトが生まれていたなら、同じような傑作を創造し得ていたでしょうか?パソコンでいくら疑似体験が出来ると言っても、それらが自ら旅をした時と同じ感動を与えてくれるかというと、仮に同じ風、同じ匂いを感じられる機械を取り付けたとしても、それは実際に足を運ぶのとは決して同じ体感は出来ないでしょう。そういう瞬間に、私たちは技術の進歩に目を奪われかつての偉人や先人がたどった道を決して忘れてはいけない、と思うのです。家にいて全てが片づく世の中になったならば、せめて余暇を利用して自分の足で、体で、耳で、手で、目で、感じていこうではありませんか。そうすることが一番のモォツァルトに対する愛情に繋がるのではないでしょうか。そして、私たちの素晴らしい未来へも必ずや続いていくと確信しています。「人間が人間らしくある限り、我がモォツァルトは永遠なり・・」