home

会報より

豊かな音楽との出会い  会員番号 K503 豊島鈴子

音楽に興味を持たせてくださった小学校時代の恩師から、この会を紹介していただき、早速入会しました。私の母親はモーツァルトの大ファンでした。終戦後7,8年経ち、やっと日本の経済が安定に向かい、秋田でも当時の記念館(今の県民会館)でピアノやバイオリンなどの演奏会が開かれるようになり、母から音楽会に連れていってもらった思い出があります。私は、小学校の担任の先生や母親の影響で自然に音楽が好きになっていきました。教師になってからは、たくさんの子供たちと一緒にモーツァルトの曲を聴いたり、歌ったり合奏したりなどして、すっかりモーツァルトのファンになったものでした。

今年で退職して2年目になりますが、娘や孫たちと一緒にモーツァルトのホームコンサートを開きたいなどささやかな夢を持ちながら楽しくピアノに向かっているこの頃です。

昭和30年の初めころから日本の産業界が飛躍的な発展を遂げ、特に電気製品の生産の伸びには目覚ましいものがありました。そのころ、ある建築事務所のステレオマニアの方が、自宅でステレオコンサートを毎週土曜日に開いてくれました。ドア一枚程の大きさのスピーカーで最新の音響のステレオは、集まって来た音楽ファンを魅了したものでした。

ステレオコンサートに毎週通っているうちに、私はすっかりモーツァルトファンになってしまいました。特にピアノ協奏曲群が好きでした。こんな青春時代を思い出しながら25番ハ長調K503を選びました。

豊かな音楽を最新の音響で聴き、感動した時代から40年余り経ち、今では、地方でもたくさんの演奏家たちの音楽を楽しむことができるようになりました。また、ウィーンのコンサートホールに行ってモーツァルトの音楽を聴ける時代なのですから。(数年前ウィーンの音楽劇場で「魔笛」を聴きました。)
指揮者やピアニストによって、同じK503番であっても表現方法が違います。名演奏家たちの表現に出会うたびに新しい感動があり、私の心を豊かにしてくれます。

これからのモォツアルト広場での名演奏家や会員の皆様との新しい出会いが楽しみです。